CHU-GIRIN

中途半端に使えるIT技集「中技林CHU-GIRIN」

DX化を推進していきます!と言いますけど、DX化ってなんですか?:管理職こそ本質を知らないと痛い目あうよという話

 本ページはプロモーションが含まれています

 

"これからは電子化、IT化、DX化をしないといけない!"

 

 

という言葉をここ数年、方々で散見します。現に自分が所属している組織にもそのような崇高な考えをお持ちの管理職の方がいらっしゃって2~3時間熱く語っていただいた経験があります。確かに有意義なことだと感じますし、媒体レスというか…現在広く使われているツールの更改時期(アナログからの脱却)が近付いているんじゃないかな?と感じています。

 

今回は、最近よく聞く「DX化」という言葉について自分なりの解釈を記事にします。なんとなくこんな雰囲気のことを言ってるんだな~と頭の片隅に予備知識としておいていただくことをお勧めします。

 

 

 

DXとは

「デジタルトランスフォーメーション」の略称です。

 

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」

(DX推進ガイドラインVol1より)

 

↑らしいです。ざっくり言うと「システムを使うことだけが達成ではなく、アナログベースの業務の根幹や運用方法も刷新しましょう」というものです。これらは原則、組織の経営者層など、運用を管理する者に向けた資料になります。

 

 

 

DX化に関するガイドラインとは

 

経済産業庁が2018年にガイドラインを出してから、形を変え今は「デジタルガバナンス・コード2.0」という名称で落ち着いているそうです。遍歴は以下になります。

 

2018年 「DX推進ガイドライン」発表

2020年 経営者向けに取りまとめた「デジタルガバナンス・コード」発表

2022年 上記2件を統合して「デジタルガバナンス・コード2.0」を発表

 

らしいです。公式ソースを一読させていただきましたが、ガイドラインは「概要」でデジタルガバナンス・コードは「具体的な運用を組み立てる方法」といったマニュアルみたいなもので、このデジタル・ガバナンス・コード2.0については「概要と運用構築指南」を合わせたものになります。

 

詳しくはこちら↓

www.meti.go.jp

 

 

 

DX具体的に始めるには?

課題抽出→運用見直し→ガバナンス対応→新体制確立→ツールシステム選定

 

手引きなどにもあったように「5~10年先のビジョンを持ち、運用方式ごと改変をしよう」ということらしいですが、実際は「アナログに作業しているものをデジタルな作業に変えただけ」で留まる企業も少なくないようです。

 

このアナログ作業にシステムを採用するまでを「電子化・デジタル化」と言います。DX化というのは単純に「そのデジタル化した技術をもって組織を円滑に運用するために変革させていきましょう」という意味だそうです。

 

 

押印業務→電子署名=デジタル化

電子署名に関する規定の設置、業務全体をデジタル化し工数を軽減したDX化

 

といった感じです。

 

我々は原則、DX化の対応を見越して、むしろその体系作り(運用定義化)と最終着地点を見越した定義化が完成してなければ、そもそもシステム化、デジタル化は実行しません。なのでDX化とデジタル化を名称・範囲を分ける意味が個人的にはあまり意味がない気がします。

 

全て総じてDX化と定義したほうが、不完全で終わってしまうことを防げるのではないか?と個人的には考えます。

 

 

 

ITツール・システムとは?

 

極論を言うと、これらは「紙とえんぴつ」の成れの果てだと思ってます。業務などを円滑に行うために必要な道具なだけであって、導入したらすべてがOK!っていう考え方ではありません。現在日本でも普及しているsalesforceも、初めは巨大な箱で、そこで顧客管理をすることからスタートして、徐々に見込み客の発掘、育成、拡充させたり、セミオートのフローを設置したり、分析レポート生成や、マーケティングツールなど、多くの機能が利用できる便利ツールなんですけど、これを単純にExcelの代わりと思って管理運営しいる方が非常に多く見られます。

 

すごい勿体ないです…ユーザーライセンス料高いのに…って毎回思います。自分が属している組織も前任者が同じようなことをしていたので、現在改修を行ってます。なので、今自分がやっていることはDX化そのもの…らしいです。

 

 

 

意味合いを知らないと危険な言葉:デジタル化

 

だからこそ電子化・デジタル化という途中の形式に合わせた名称を独り歩きさせるのは非常に危険です。上層部で自称ITリテラシーが低いと言ってる方々は、根本的な「ツールを利用する前に、一つ一つの運用方法の見直しと整理」を最優先して考慮してください。勘違いしている人は「デジタル化したら楽になる」って危ない考えしてますけど、そんな便利グッズ、ドラえもんしか持ってないです。

 

 

まとめ

 

これから各所でこの手の案件が増えると思います。コロナを経験したことにより、それまでメジャーじゃなかった在宅業務が、今では当たり前になりましたし、それを実装するために共有ネットワーク整理やVPN接続環境構築だったり、ワークフロー、電子署名を導入したところもあるでしょう。そうです、これらがDX化なんです。

 

「一過性の対応としていたらナンセンス。今後はこれらを業務の根幹として適材適所活用し、効率化、利便性向上、経費削減をし、よりよいサービスを提供する環境を作ろう」

 

という壮大な命題にアプローチする際は、アナログベースの業務を最適化すること、ガバナンス対策、ユーザーへの理解獲得、所々の運用ルール、これら全てを再編成しなくてはいけません。

 

言葉としたら端的なものですが、作業量は結構なボリュームになります。なので、業務優先でいるとなかなか着手出来ません。さらに言えばこれらを「電子化」と勘違いをしている管理職が多いです。これが1番問題です。そのミスリードをしないように設置したのがデジタルガバナンスコードなんですが…総じて読まないんですよね。

 

なので自分等は代わりに説明した上で業務をしなくてはいけないケースが多いです。その分時間がかかりますし、納得させないと案件が進まないこともあります。しかしそれを怠ると…無駄遣いになりますので、1番重要な要素なのかもしれませんね。

 

以上、DX化って何?本質を理解すべきは管理職や経営者だ!というお話でした。