Amazonプライムオリジナルドラマ「龍が如く~Beyond the Game~」を視聴しました。今回は前回の続き、第三話のネタバレあり感想とゲームとの違いを解説と考察をしていきたいと思います。視聴予定の方は視聴してからお読みください。
ドラマとゲームのネタバレがありますので未視聴の方やゲーム未プレイの方はご注意ください。また個人的な感想や考察を多分に含みますのでご了承ください。ゲームとの違いなどを主に記事にしています。
前回の記事はこちら
それぞれの再会

2005年、爆発から遥を救出した桐生は彼女を由美に預けます。桐生はその足で錦山に情報を求めに行きます。そこに駆け付けた由美とともにアイコを襲ったのが近江連合と知った桐生は、情報屋の「サイの花屋」のアジトに向かうのでした。時は遡り1995年、アイコの行方を追っていた由美は客の情報から大阪にいることを知り一度探しに行きます。しかし、再会を拒絶するアイコの策略により会うことは出来ませんでした。
満喫は爆破されてしまい消防隊が駆けつけていました。その頃にはもうアイコは逃亡をし、桐生もいつの間にか遥を助け現場から抜け出すことに成功をしていました。そして、由美の自宅に遥を連れていき10年ぶりの再会を果たします。この点も含めてもはや完全にオリジナルな展開になります。
終始桐生を毛嫌いする由美

由美は10年ぶりの再会しても桐生のことはほぼ無視します。肉親でありアイコの娘の遥の身を心配する、というよりは取り乱した状態でアイコの所在を確認します。爆破に巻き込まれたのかを心配するあたりは情があるのか?はたまた事件に巻き込まれた真相を知りたいのか?真意はわかりません。しかし、桐生への「過剰な敵対心」は推測でしかありませんが、親殺しが原因なのかもしれません。

もしかしたら堂島組長と関係があったのかと深読みしてしまいました。
桐生に対して歓迎する錦山


一方10年ぶりの再会を歓迎したのが錦山です。大勢の部下が「親殺し」の桐生に罵声を浴びせる中、それを制止し敷居を跨がない桐生に対して階段の踊り場で出所祝いの盃を交わします。さらにはハグをして歓迎するあたり、ゲームとは違う親殺しの理由があったのかと推測します。ゲームでは自分の身代わりになりつつも桐生に対するジェラシーで闇落ちをしていますので、本作の錦山はだいぶ大人な印象があります。



堂島組の組長に上り詰めたこともあり、10年前の錦山とは全くの別人のような立ち振る舞いです。正直本当に何があったか知りたいです。
アイコは再会を拒絶
1995年にアイコを追って大阪に行った由美とちゃっかりついてきたミホ。由美の客の知り合いの「インディー」という男性にアイコに会わせるように金を渡しますが…出てきたのは60歳過ぎの女性。騙されたと怒って出ていきますが、実はインディーはアイコに支持されて騙しただけでした。アイコは裏で由美を見ており「綺麗になったわ」とそっけなくその成長を確認しただけでした。真意は今のところわかりません。



唯一の肉親である由美に対して、アイコは何を思うかは今のところまだわかりません。大事に思うからこそ会わない展開であってほしいです。
真島と冴島


1995年、桐生と錦山はエドガーの妹を追って潜伏先のホテル「金田」で張り込みを開始します。そこに「真島」と「冴島」がタクシーで現れます。非常口から逃走する妹を追う最中、彼女が誤って撃った銃弾が冴島に命中してしまいます。彼女を助けた桐生と錦山は追ってきた真島と初対決をするのでした。その後駆け付けた刑事の荒木によって妹は身柄を拘束されてしまいますが、荒木は堂島組長とつながっており、結果的に実印は堂島組長の手中に収まってしまいます。
潜伏先に向かった桐生と錦山。実印の行方を捜索するのに必死でした。それは渋澤の二の舞にならないように挽回をしたかったのかもしれません。ここで一部ネットを騒がせた冴島の呆気ない離脱が描かれています。正直ここまでくると自分は何が来ても驚かなくなっていました。あくまで「違う解釈のドラマ」として見ることをおすすめします。
冴島はもはやモブ扱い(後藤 剛範さんの無駄使い)


ゲームでの冴島大河と言えば「ヤクザ18人殺し」の容疑をかけられた超武闘派の伝説的極道でした。真島とは組違いの兄弟分として友情を持ち、規格外の武力を持ちながらも決して粗野ではなく、男気がある人物です。と言っても本作中では劇場前の揉みあいで発砲された銃弾で倒れて、最終的に死亡します。(ただしフェイクの可能性があるかもしれませんが)



決して野蛮なキャラではないです。といっても本作中は野蛮というよりモブなのでそこまで印象に残っていませんが。キャストは後藤 剛範さん、正直勿体ないです
真島との対決も味気ない戦闘


よくネットでは「真島の兄さんの再現度だけ高い」と言われましたが、自分は特に思いませんでした。もう少し「ヒャッハー感」が足りないなと。確かに隻眼になる前は、嶋野の狂犬と言われる前で比較的落ち着いてはいます。その割には少しぶっ飛んだ印象を残すような、言葉遣いやセリフのオマージュが多く見受けられました。ものすごく中途半端な感じです。制作側が「別ストーリー」を強調するのであれば真島の兄さんだけ寄せるのは意図的によくわかりません。最後はだまし討ちのようなレンガでの後頭部への一撃で真島の兄さんは失神します。



制作側曰く「ゲームのエッセンスとして真島の兄さんを似せた」ような発言がありましたが、逆効果だと思います。
真島のキャラと隻眼の理由の改変


キャラについてはオマージュがかなり強めですが、隻眼になった理由が全く違います。ゲームでは冴島との騒動で監禁された際に真島に激怒した柴田組の構成員に目をえぐられます。本作では独断で動いた「落とし前」のために堂島組長に目をえぐられてしまいます。意味合いが全然違いますし、破天荒ながら真島の兄さんがこんなヘマをする描写はありません。ふざけた表現が多いキャラではありますが、ここまでのヘマを起こすようなキャラでもありません。詳しくは下記に記事にしています。
荒木の正体はサイの花屋だった


伊達刑事と共に行動していた荒木は堂島組長とつながりのある悪い刑事でした。「賽の河原の渡し守」から堂島組長に「サイの花屋」という名前を付けられます。ゲームでは汚職警官であり、伊達刑事の告発により警官を辞職した流れはどことなく同じです。名づけられた由来はほぼ同じで「情報を横流しする際に花束を渡していた」「賽の河原を統治していた」ことから付いた二つ名ですが堂島組長が付けたかは明言されていません。



ちなみにヤクザは嫌いですが桐生は恩があるので別扱いでした。本作のようなゲスさはそこまでありません。
アイコの失踪


2005年7月28日、サイの花屋のアジトに到着した桐生と由美。花屋は澤村アイコの情報を1億円と桐生の地下闘技場の出場を担保に提供をします。失踪の三日前(7月20日)、近江傘下の佐川組の構成員、大石克己(インディー)とつながっていることを知り再び大阪に出向くことになります。しかし、桐生と由美が訪れた四日前(7月24日)アイコにはめられた大石は場末のスナックで能面を被った何者かに襲撃されて既に拉致されてしまいました。
2005年、満喫爆破からアイコの失踪までの経緯について整理していくような展開になります。アイコの失踪の裏での人間関係があらわになっていきます。情報を得るために地下闘技場の出場が出てきたり…大石の失踪の犯人が能面を被った集団など…用意されていた謎の伏線回収の準備をしているような展開が続きます。
佐川組は恐らく龍が如く0のオマージュ


インディーこと大石克己が所属していた組は龍が如く0で登場した近江連合の佐川司が率いる「佐川組」がオマージュされたと思います。またインディーは1995年当時からアイコと繋がりがあり、大阪を訪れた由美とミホを騙して帰らせます。それもアイコの言いなりでやったことだと思われます。



鬼仁会の大石がモデルかと思いますが、どちらにせよモブキャラではあります。ちなみに3回も真島の兄さんに絡んでくるモブでした。
能面を被った犯人は?
最後に大石を拉致した能面集団は満喫を爆破した犯人たちに似ていました。またここで気になるのが新宿の悪魔の存在です。謎の集団としてはどことなく似たような印象があります。可能性としては近江連合の絡みなのかもしれませんが…同門の人間をわざわざ変装して捕らえる必要はないかと思います。
まとめ


本作は「ゲームと全く違う解釈を楽しんで欲しい」というのが制作側の意図らしいです。しかし、この策略はファンにとっては逆手になってしまうのです。だったら「同じ名前を使わないで欲しい」さらに「一部キャラクターはゲーム設定を引きずってると、その意図自体も後付けに感じてしまう」というのが本音です。正直言うと、自分は「全く別のキャラクターを描いたもう一つの龍が如く」を描いて、作中にゲームとの関連性を出した方が良かったと思っています。
以上、実写ドラマ第三話についてのネタバレ感想とゲーム的補填でした。