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Fallout実写ドラマを観てみた:エピソード1のゲーム的補足情報【ネタバレあり】

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”これは…かなりぶっ飛んでる(いい意味で)”

 

 

Falloutの実写ドラマの視聴を開始しました。エピソード1を観ましたが、これはかなりいい意味での壊れ感です。そして、何よりも本作はゲームへのリスペクトというよりは、忠実なる再現と新しいストーリーを多分に含んだ、「新しいFalloutなんだ」と率直に思いました。

 

とにかくディティールが細かく再現されています。衣服、建造物、世界観…挙げればきりがないです。ゲームそのままです。でも実写です。こんなにクオリティの高い実写ドラマ見たことないです。

 

今回はエピソード1の感想と未プレイの方にゲームに関連する用語や、ゲームを知らないとわからなかった点について補填しようと思います。

 

 

 

注意

ネタバレ要素を含みますので、ご視聴後に読まれることを強くお勧めします。またこれはゲームをプレイした自分の個人的考察を含みますので、その真意や正確性は保証できません。

 

 

 

 

まだご視聴されていない方は

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ゲームで「Fallout4」をやる際の環境づくりの記事は下記

 

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(↓以下ネタバレあります!同意した方のみスクロールしてください)

 

 

 

 

 

 

冒頭の親子のやり取りの親指の意味とは

 

冒頭の核爆弾投下の直前の親子のやりとりで

 

「原子爆弾の雲の大きさと自分の親指の大きさを比べて、逃げられるかどうか判断すると軍の上官に教えてもらった」

 

と父親が娘にする会話がありますが、この親指を立てる所作…どこかで見たことあるなあと薄っすら思ってました。そして中盤あたりのValut内のポスターを見て「あ!」と気が付きました。そうです、この親指を立てる所作は、Falloutゲーム内ではお馴染みの「Vault-boy」の象徴的なポーズなんです。

 

 

 

 

(このTシャツに描かれているのがVault-boyです)

 

この意味合い…自分が知る中ではゲーム上で説明がなかったと思うんですよね。核シェルターを開発する会社であるVault-tec社のマスコットが「核爆弾の爆発雲の大きさを図っている」=「手遅れになる前にわが社のシェルターに来てください」と暗にメッセージを送っているのかな…と思ってしまいました。真意ははっきり語られていませんが…なんとなく深読みしてしまいましたね。

 

 

小ネタが満載な原作リスペクト感

 

小ネタとしては、給仕ロボの「Mr.ハンディー」が出たり、子供たちが付けたテレビ画面には「グロッグナック・ザ・バーバリアン」が登場したり…手に持っているカメラも、流れているBGMもそのまま使われたり、インテリアや内装関係も…ゲームリスペクトなデザインでしたね。冒頭の5分くらいは「あ!これゲームのアイテムじゃん!」と色々とニヤニヤしながら見てしまいました。それだけ原作リスペクトは半端じゃないです。

 

 

時代設定は正史(ゲームの年表)と一致

 

ちなみに当ブログにて予告情報をもとに以前の記事を書いたのですが…ゲームより200年後と大嘘をついてしまいました。既に該当記事は訂正済みですが、申し訳ありませんでした。今回本編を見て理解したのですが…2077年大戦争はFalloutゲームシリーズの正史と同様です。それでこのドラマの本編はその219年後ということなので、2296年スタートということになります。これはFallout4で主人公がVault111で目覚めたのが2287年なので、そこまで乖離してませんね。

 

 

 

 

Vault居住者の倫理観について

 

ざっくりストーリー

 

核爆弾投下から219年後の2296年、主人公(ルーシー)が平和に暮らすVault33内での風景が描写されて物語がスタートします。ルーシーは自ら志願して、全く面識のない他のVault32の居住者と結婚をします。

 

 

ゲームをやっていれば耐性があったと思うのですが、倫理観はかなりぶっ飛んでいると思います。これはゲーム内でも独特なリアリティとして描かれています。人間らしさの欠如というか、恋愛も延長線上には「子孫繁栄のための繁殖活動」という実質的な行為に結びつけています。

 

植物も動物も人間も同じように数値で管理されているような…ちょっと人間味がないような…違和感を覚えると思います。それはVaultという閉鎖的な世界で生き続けるための秩序と法律で統治しているからだと思われます。

 

 

何故素性の知らない相手と結婚が出来るのか?

 

「他の友好関係のVault居住者との婚姻儀式」については狭い領域での「近親者との結婚による遺伝子の偏り」を防ぐ目的があると思われますし、実際ルーシーの父親と母親もそのような慣例儀式を経て結婚がされていると描写があります。慣例儀式として教育プログラムに導入し、さも当たり前のようにコントロールをしてるのではないかな?と自分は思います。

 

 

 

(外界)無秩序と(Vault)規律管理のギャップがこの異様さを加速させます。

 

狭い空間で共存するために独特な進化を遂げた法の下で統治された世界(Vault内)は監督官と呼ばれる代表者を頂点に、食料の自給自足、教育、子孫繁栄の全てを賄うように構成されています。これはVault-tec社の中で人物をサンプリングして、幸福感や疲労感、その他人間が必要とされる生活の外的刺激を定義化しています。

 

Fallout4のゲーム内でもそのかなり特殊な体験が出来るストーリーもあります(有料DLC「Vault-Tec Workshop」)。一企業が人間の尊厳を定義するのだから…かなり神に近い領域の研究であると言えます。なので、我々の通常とは異なる通常を暮らしてきたルーシーの笑顔と口調には、ちょっと独特な雰囲気を感じるかと思われます。

 

 

 

何故主人公はあの時死ななかったのか?

 

ざっくりストーリー

 

結婚相手と無事に挙式を終えた夜、ルーシーの婚約者の素性が明らかになります。実は友好的なVault居住者だと思っていた婚約者は、外界で猛威を振るう「レイダー」だったのです。

 

 

この婚約者と偽っていたレイダーにルーシーは腹部を刺されます。かなり深く。でもルーシーは死にません。薬を打つ描写で察した方もいますが、これはシリーズお馴染みの回復アイテム「ステイムパック」を投与したから一命を取り留めたのです。

 

これは知らなかったら「え?注射みたいなの一発でこんなに元気になったの?」ってびっくりすると思います。これもゲームリスペクトな描写です。展開をぼーっと見てたら「あれ、これ全滅してね?」って思うんですが、重傷者でも意外と生き残った人たちが多かったですね。これは恐らく回復して持ちこたえたと思われます。(ゲーム中もそうですが、頭を撃ち抜かれたり、絶命してしまうと効果はないようです)

 

 

レイダーについて

 

レイダーについてのエピソードはFallout4本編では「世紀末的な雑魚キャラ」という印象しかないですが、それを色濃く体験できるストーリーも存在します(有料DLC「NUKA-WORLD」)そこではレイダーのボスになって、レイダー組織を率いることが出来ます。

 

ただ他の組織とは違うのはこのストーリーがメインストーリーに干渉しないということです。つまりはマルチエンディングへの影響が全くないということですね。これを本編で実装してくれていたらレイダーとして生き抜くことが出来たのですが…追加コンテンツなので、ちょっと残念ポイントではあります。

 

 

Falloutドラマの暴力描写のエグさについて

 

また、かなり残酷な描写が出てきて気分を害した方も多いとは思いますが…これはゲームでは「仕様」となります。なのでゲーム体験者は「なんか新しいFalloutシリーズプレイしてるみたいだわ」と思うのではないでしょうか?

 

 

Vault内での混乱からの主人公が外界へは、ゲームのチュートリアルそのまま

 

その後、監督官である父親は、居住者を救うために人質としてレイダーたちに外界へ誘拐されてしまいます。周囲の反対を押し切り、ルーシーは父親を追って外界に向かいます。これは完全にゲームのチュートリアルそのものですね。

 

特にゲームのFallout3、4ではこのような悲劇、惨劇の後に主人公がある程度戦闘をしてから外界に出発します。この展開が「Falloutシリーズ」のある種テンプレートなんだと思います。ですので、今回のドラマについても「これはもう…Fallout5でよくね?」と素直に反応してしまったわけです。

 

 

 

 

BOSは軍隊?何の目的で存在するのか?

 

ざっくりストーリー

 

世界平和を掲げるハイテク武装集団「BOS」その武の象徴である「パワーアーマー」を装着できるのはナイトの称号を持つ限られた戦士のみ。その栄光には多くの嫉妬、弊害が存在します。落ちこぼれの「マキシマス」がその候補になる?発端が描かれます

 

 

ゲームで登場するBOSについては騎士精神を重んじる軍事組織として描かれます。その理念遂行のため隊員は命を捧げます。厳しい規律の下で統治する組織であり、軍事要素を多分に含みますので、Vaultとはまた違う特異性があります。ゲーム中では、特に米国では絶大の人気を誇る組織です。

 

またFallout4内ではこの組織に加入することも可能です。人気キャラクター「パラディン・ダンス」なんかは…本当最強です。ジェット噴射を喰らっても死にません。「え?一人で他の組織壊滅できるんじゃないの?」くらい強い印象があります。

 

マキシマス、エピソード1までは特に印象は薄い感じがしました。ただ忠誠心や真面目さは何となく感じられた印象です。BOSのキャラですので、堅物真面目キャラなのか…どうか?といった感じで今後が気になります。

 

 

 

墓から出てきた人?…グールとか、フェラルグールって何?

 

場面が変わり、主要キービジュアルキャラのグールが登場します。経緯の詳細については正直曖昧な表現になりますので、割愛です。ただ彼を呼び起こした悪党と思われる3人組の会話で「フェラルグールなら殺してしまえ」というセリフがありますが、ここではグールとフェラルグールについて解説したいと思います。

 

グール/フェラルグールとは

 

両者とも核爆弾による高濃度の放射能によって変異した人間を指します。見た目はゾンビです。そして高濃度の放射線の影響で、放射汚染(RAD)に耐性を持ちます。なので外界に適応され、2077年から219年以上生き続けています。これも恐らくは高濃度の放射能の影響だと推測されます。

 

 

グール/フェラルグールの違いは

 

「知能の有無」です。人間の時にあった人格や記憶が残っていてるのが「グール」で、知能・人格がなくなり、人間を捕食するクリーチャーが「フェラルグール」になります。ゲーム中では敵として出てきた場合はちゃんと倒せます。外的な攻撃では死にますが、寿命の長さは両者とも異常に長いです。2077年からずっと生き続けていますので、不老不死という表現が稀に使われます。

 

 

この描写で気になったのは…彼が入っていたお墓に点滴として刺さっていた「RADアウェイ」ですね。これは放射能汚染を中和する薬としてゲーム内で登場します。なんでグール(放射能汚染影響を受けない)に必要なんだろう…とちょっと不思議に思いました。

 

 

まとめ

 

エピソード1を見終えての感想は「早くFallout5出ないかな」でした。このドラマのクオリティをゲームに落とし込めば続編じゃね?と思ったからです。それくらいのクオリティを誇ります。反面、やはりゲームありきじゃないと説明がつかないことが多々ありましたね。

 

一応アマプラの作品詳細には登場したグッズの概要などが記載されていますが…本編では語られておりません。やはり、ゲームをやっておくことを強くお勧めします。やっと時代が追いついたか…と独り言のように繰り返してますが、自分が好きなゲームがこうして世間に広まるのはうれしい限りですね。

 

次回エピソード2の考察は下記

 

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以上、ネタバレありな感想と考察と情報補填でした。