Fallout(フォールアウト)の実写ドラマの視聴8回目、今回はエピソード8について、これがシーズン1の最終回になります。ある程度の伏線回収をする回になります。今回もネタバレありでFallout4をベースにゲームを知らないと気づかない点について補填・考察をしようと思います。(ストーリーに沿ってゆっくりと解説していきます。)
前回の「エピソード7」の記事は下記
ネタバレ要素を含みますので、ご視聴後に読まれることを強くお勧めします。またこれはゲームをプレイした自分の個人的考察を含みますので、その真意や正確性は保証できません。
(↓以下ネタバレあります!同意した方のみスクロールしてください)
モルダバーと父親との再会、そして謎の解明へ
BOSに拘束されたマキシマスはフィリーの街へ連れていかれます。審議の際に頭部の嘘はすぐにバレてしまいますが、レイの一言により死罪を免れ、彼はルーシーを救出するためにベルチバードに乗り込みます。一方単身モルダバーの住処であるグリフィス天文台に入ったルーシーはそこでモルダバーと父親に再会します。グールもまたCX404の嗅覚を頼りにグリフィス天文台に向かっていたのです。またノーマンもVault31内である人物に出会います。ここから物語の確信をつく謎が次々と明らかになっていきます。
Vault-tec社の真の狙い
戦前クーパーがVault-tec社に侵入し盗聴をしていた際に、ロブコ、ウエストテック、ビッグMT、レプコン各社との共同会議の衝撃的な内容を聞きます。ちなみにこれらの企業はゲーム内で実際に名前が存在しますし、正史上認められた戦前の企業になります。
Vaultは時間によって外界の人間の排除を完了させ、理想的な社会と完璧な人類を育成するための生活基盤であり、教育を実施し育成したり、新たな人類の研究・実験をするための施設になります。生活を存続させるために、リスクを分散する(Vault31~33Vaultとの関係性のように)複数Vaultの直結構造で運営するとも説明がありました。研究目的や内容については各Vaultによってある程度采配権があると推測します。
そして「爆弾はVault-tec社が投下すればいい、競争相手がいなければ全てを独占できる」とバーブが発言します。Vault-tec以外の人類を死滅させる=派閥争いや戦争を終結させる唯一の手段と考えています。Vault内の人間(子供たちとVault-tec社の人間)だけを繁栄させ、健全な人類を再構築しようとしていました。
他の人類を駆逐した後にさらに「時間」を制することがそのすべての権利を独占するものと考えたのです。
人は過ちを繰り返すについて
これは英語だと「War never changes」で、「人は過ちを繰り返す」と意訳されています。直訳すると「戦争は何も変わらない」というようなニュアンスかと思われます。ただ意訳としては非常に考えさせられる単語ではあります。ちなみにゲームの中ではFallout4の冒頭のクエスト(プロローグ)名になっています。(「War never changes」とそのまま使われています)
またゲーム内でも「コールドスリープ」は、Fallout4の主人公が、密かに被験者になってしまった「Vault111」での研究の一つとして描かれています。
ただ主人公を含めた被験者たちがコールドスリープされた目的は、「人間がコールドスリープでどれだけ延命できるか?」とされており、作中の利用目的とは意味合いが異なります。ちなみに、その監視人(Vault-tec社の関係者)たちの延命処置(食料など)は確保されていなかったので、その監視人たちの間で暴動が起きた痕跡が見ることが出来ます。
爆弾の投下について正史上は謎とされている
ここで言及すべきは前回の記事でも触れましたが、2077年に誰が核爆弾を投下したか?という謎があります。今回のエピソードではバーブの発言もありますが、後程モルダバーも「シェイディサンズの爆撃は200年前と同じように行われた」という言い方をしています。
製作者のインタビューでは「中国がアメリカの研究(ウィルス研究)を察知し爆撃を開始した」ところまでは触れていますが、最終的に真相は、はぐらかされています。
作中通りに考えると初めの攻撃は不明にせよ、Vault-tec社を筆頭に関係企業が爆撃を双方で行ったのでは?と推測することも出来るかと思いますが、単純にこれがVault-tec社の手によるものと断言していいのか?公式の見解を確認したい内容ではあります。
バドの仲間たちとVault31の真の姿
Vault-tecの同僚が言っていた「バドの仲間たち」とは「時間を制する方法」、つまりは「コールドスリープ」を利用したVault-tec社の人間の寿命の延命処置であり、研究のリーディングを世代を超えて実現することを意味します。それを実現するための施設が「Vault31」になります。ノーマンが侵入したVault31にはまさにその巨大なコールドスリープ用の冷凍ポッドが並ぶだけの光景が広がっていました。
監督官はロボブレイン
Vault31に侵入したノーマンを待っていたのは脳みそを載せたラジコンのような機械。これはゲームでいうところの「ロボブレイン」になります。彼は自分を監督官と言っていたので、この施設を運営するため、自身の寿命を延命するために自らの体を捨てロボブレイン化したと思われます。詳しくはFallout4の有料DLC「Automatron」で触れることができます。
父親ハンク(ヘンリー)の正体
父親のハンク(ヘンリー)は戦前のVault-tec社のバーブの部下になります。またベティも彼女の同僚とされています。(Vault-tec社に侵入したクーパーを対応していたのが若かりしときのベティ)彼はVault31でコールドスリープを受けて200年後まで延命し、解凍されてVault31より出てきます。そしてローズと結婚しVault33の監督官になります。
またVault31の解凍者リストには彼とベティの他に新しいVault32の暫定監督官のステファニーの名前も入っていました。
母親との過去の真相と現在の姿
ローズは地上からの水の吸い上げを発見し、地上の文明復活を察知します。そして密かにVault33を脱出し「シェイディサンズ」でモルダバーと出会い、交流があったようです。ルーシーはその話を聞いた際に、幼少期の記憶に出てくるモルダバーの姿がよみがえります。ルーシーを取り戻したハンク(ヘンリー)は彼女がVault33に戻ろないと知るとシェイディサンズに低温核融合を利用して爆撃を行いました。
時は流れ、現在ルーシーの目の前にいる半壊したグールこそが、母親のローズになります。恐らくはシェイディサンズでの被爆時の影響と考えられますが、他のグールやフェラルグールとも違い言葉も発せず身体は崩壊寸前の「ギリギリ生存しているような存在」に変わり果ててしまっていました。
頭部の正体は低温核融合のアンプル
ヴィルツィヒは生前、エンクレイヴ研究所内で投与したのは低温核融合のアンプルで、それはモルダバーが以前言っていた「無限のエネルギー」を生み出す源になります。モルダバーが頭部を狙っていたのもそれを確保するためでした。またそのトリガーになるのがVault-tecの限られた人間が知るコードになり、それを知っているのがハンク(ヘンリー)だったのです。
BOSの襲来と父親の逃亡、そして物語は続く
父親の正体、頭部の秘密をモルダバーに知らされたルーシー。茫然としているところにBOSがベルチバードの大群でグリフィス天文台へ襲来します。天文台の正体があの新カリフォルニア共和国(NCR)の本部であり、恐らくはモルダバーがそこの代表者で、この襲来に受けて立つのです。ルーシー救出のために奥へ侵入するマキシマスの前に現れたのはクーパー。クーパーはパワーアーマーの弱点を突きそれらを一掃します。マキシマスはそれらを掻い潜りルーシーと父親のもとに辿り着きます。パワーアーマーを強奪した父親は助けてくれたマキシマスを気絶させ逃亡。駆け付けたクーパーとルーシーはマキシマスを置き去り真相を求めて彼を追うことになるのです。
グリフィス天文台とモルダバーの正体
グリフィス天文台には「新カリフォルニア共和国本部」と記載がありました。そして、そこを統治しているモルダバーが、恐らくはその党首とされていると推測します。前回のエピソードで「カリフォルニアには人が集まる」と言っていた意味がなんとなくここで分かった気がします。
彼女自身も戦前の人間でありますが、こうして現代に生きているということは、恐らくは敵対しているVault-tec社が行ったようなコールドスリープ技術を使ったものと思われます。確信はありませんが、グール化をした時の特徴が彼女にはありません。ただ、遺伝子レベルの別の研究があって、それらを利用して寿命自体を伸ばした可能性もありますので、次回以降のシーズンで明らかになればと期待しています。
クーパーがルーシーのファミリーネームを何故知っていたか
戦前の回想シーンで既にわかったと思いますが、クーパーとハンク(ヘンリー)は戦前お互いを知った仲であります。最初は半信半疑だったと言っていましたが、再開でクーパーは確信します。またクーパーの妻の部下でもあり、自分自身のファンといっていたハンク(ヘンリー)については覚えていたのかもしれません。他に関連性があるかは…やはり今のままでは全てが描かれていません。
母親と過去との決別
クーパーの「自分の過去の真相と黒幕を見に行く」という提案にルーシーは従い旅に出ます。その際に変わり果ててしまった彼女の母親であるロースの頭を銃で撃ち抜きます。これは過去を全て飲みこみ真実を知る覚悟と、言葉も発せられず、苦しみの中で延命させられているだけの存在になった母親をある種救うために撃ち抜いたと個人的には感じました。
モルダバーの最後
戦前で戦ったとされるモルダバーがマキシマスの前に現れます。そして準備完了した低温核融合を開始させます。ローズの横の席に座る彼女、ローズとの約束を果たしたと安堵の表情を見せますが…腹部からは血が出ており重傷だとみてわかります。
ここでモルダバーが死んだか?はその後の描写はありません。可能であれば延命してもらって後のストーリーにも関与してもらいたいと考えるのは自分だけではないと思います。
マキシマスのその後
ルーシーの父親だと知ってすぐに救出したものの、パワーアーマーをまとったハンク(ヘンリー)に殴られ気絶します。そして、目が覚めた後に相手組織のリーダーとされていたモルダバーが席で動かなくなっているところをレイたちに発見されて、敵首謀者を討ち取ったとし、正式なナイトとして祭り上げられます。
前回後半から突入までは勇ましい姿が見られましたが…ナイトへの正式登用の件についても…少し間抜けに感じますが、甘んじてその勝ち名乗りを受け入れたのは「ナイト」の権利を手に入れて消息がわからなくなったルーシーを助けるためだと思います。気絶から目覚めたばかりなのでなんとも言えませんが…。
ルーシーとクーパー、CX404の新たな旅立ち
この組み合わせで次回以降のシーズンが開始されてると思われます。黒幕とVault-tecの陰謀を解き明かすような展開を期待します。逃亡した父親に対してルーシーは何を思うのか?またクーパーの唯一の望みである「家族の行方」についてが気になります。ただ娘については一緒に被爆している可能性が高いので何とも言えません。
馬で逃げていく描写がありますが、たまたま近くにVaultがあって彼女だけでも延命した可能性は残されてはいます。またバーブについては…Vault-tec社の重役ですので生きている可能性が非常に高いと思います。ちなみにハンク(ヘンリー)の逃亡中に出てきた頭蓋骨は、恐らくゲームではお馴染みの「デスクロー」の頭蓋骨です。次回…出てこないとおかしい位なクリーチャーになります。
まとめ
今回でシーズン1が終了になります。今までゆっくりとですが、考察と補填をしてまりましたが、今回については物語中心に考察のみのようになっていしまいました。
それだけ情報量が多い回であり、ある程度の伏線回収が出来たので、ある種ゲームで言うところの「チュートリアル完了」なのかなと思いました。可能であれば今後ともシーズンを重ねていただいて長く愛されるような作品になって欲しいなと思います。シーズン1については導入としては「Falloutらしいなあ」と毎回感動すら覚えた作品になります。
このブログでまとめた各エピソードの考察についてもゲームをやっていて「これは言いたい!」「言及したい!」と思い立って8記事書ききりましたが、まだまだ細かいところを見逃している可能性もありますので、個人的に2週目見ようと思います。その時気が付いたことがあればまたブログを修正したり、記事を新たに書ければなと思いました。
シーズン1をまとめた記事は下記
最後に
拙い考察や説明ばかりで読みづらい点も多々ございますが、ご愛読いただきありがとうございました。また何かしらの形でFalloutドラマについてはアプローチをしたいと思います。最後に、制作いただいたAmazonプライムと関係各社、ベゼスダ社に感謝いたします。このような素晴らしい作品を見せていただいて楽しみが増えました。
以上、ネタバレありFalloutドラマ考察、ゲーム的補填シーズン1最終回でした。
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