Amazonプライムオリジナルドラマ「龍が如く~Beyond the Game~」を視聴しました。今回は前回の続き、第二話のネタバレあり感想とゲームとの違いを解説と考察をしていきたいと思います。視聴予定の方は視聴してからお読みください。
ドラマとゲームのネタバレがありますので未視聴の方やゲーム未プレイの方はご注意ください。また個人的な感想や考察を多分に含みますのでご了承ください。ゲームとの違いなどを主に記事にしています。
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神室町への帰還
2005年、出所した桐生が向かったのは神室町。合流した伊達刑事に2年前「新宿の悪魔」という謎の組織の存在により東城会ナンバー2の金村が殺害された事実を知らされます。その組織と消えた100億円、澤村アイコの繋がりを怪しんでいる伊達刑事は、その真相追求を桐生に促すのでした。
10年の間で知りえなかった「新宿の悪魔」の存在。そして澤村アイコの素性をここで伊達刑事から簡潔に知らされます。澤村アイコ自身は漫画喫茶の雇われ店長として、裏では薬の取引など…黒い仕事をしていたようです。またこの会話で由美が凶弾に倒れたことを知らされます。伊達刑事はさりげなく由美の名前を出すことによって、桐生をアイコ捜査に誘いだすことに成功します。
ミレニアムタワーがとにかくデカい
ゲーム中でのミレニアムタワーと外観と位置関係が若干異なります。ゲーム中だと入口は泰平通りに面していますが、本作だと劇場前通りに面しており(東京コマスタジアムの位置?)、かなり圧迫感がある巨大なタワーとして描写されていました。特に劇場前通りの境目がなく、エントランスも無機質で大きい…CG丸出しの建物が突然あるような不自然さ…街の再現としてかなり汚れた神室町を意識的に表現しておりますが、この巨大で近代的なミレニアムタワーと対比すると本当にハリボテのような違和感を感じます。
当時の新宿歌舞伎町の再現なのか?それとも当時描きたかった神室町のリアルな再現なのか?とにかく街が汚くてガラが悪いです。
グレーのスーツの購入シーンについて
本作では定番のグレーのスーツを神室町で桐生自らが購入します。これは龍が如く0でも恐らく同様です。「気に入ったから買ってきた」と桐生もゲーム内で発言します。それまでは錦山と一緒に購入した白いスーツに派手なオレンジの柄シャツでしたが「今は黒でも白でもない」という心境から桐生自ら配色を決め購入し、以後ずっと着続ける定番のスーツになります。ゲーム中では購入シーンはありません。
解釈的には概ね同じかと思います。本作中ではこのスーツを何故購入したかは明言はされていません。
神室町での新生活
1995年、堂島組の構成員として働く桐生と錦山。世話役の渋澤とともにミレニアムタワーの建設に必要な土地権利書を盗みに入ります。しかしその所有者のエドガーが何者かに殺害され、その身代わりとして渋澤は翌日捕まってしまいます。一方セレナでホステスとして働き始めた由美とミホ。それぞれ神室町での生活が始まります。
舞台は再び1995年。堂島組に入りたての桐生と錦山の末端の仕事ぶりや神室町での4人の生活を描きます。ここは全くのオリジナル要素であり、束縛から解放された未来ある若者たちの期待が膨らむような表現がされています。ミレニアムタワーの建立の背景やそれらに絡む事件に4人は翻弄されていく様が描かれます。
ゲームでは龍が如く0での錦山との若かりし頃とは違い、本作ではもっと下っ端な状態を描いています。もちろんゲームでは一切描かれていない要素です。
渋澤が登場するが全くの別キャラ
阿波野に続き、堂島組若頭補佐3人衆の一人渋澤が登場します。ゲーム中ではクレバーで狡猾なキャラクターですが、本作では憎めない三枚目のような普通のおじさんのような…「下っ端ヤクザ」のようなキャラクターに代わっています。別次元の要素なのでせめて同姓同名は避けて欲しいと思うのはゲームをやっているからだけかもしれません。
セレナがでかい
堂島組長のお抱えの店として登場するクラブセレナ。巨大なクラブのような作りでキャストも大勢配属されています。ここで由美とミホはホステスとして働くことになり、堂島組長がミレニアムタワー建設のプレゼンなども行います。ゲーム中では天下一通りのビルの一室の「こじんまりしたクラブ」であり常連の錦山が桐生に紹介して二人が常連になるような評判の良い店として描かれています。
ミホは要領よくホステスとして馴染みますが、由美は反抗的な態度です。セレナのママである麗奈が優しく指導する姿が描かれています。
古い銭湯で4人の生活が始まる
地上げをした銭湯跡地を阿波野から譲り受けて4人は暮らし始めます。青春群像劇のような「自由を勝ち取った解放感」を感じられる描写になります。汚い銭湯の浴室を4人で改装してそこで生活を始めるようです。ただゲーム中で神室町で銭湯というと龍が如く4で登場した公園通り前の「湯乃園」くらいしか思い当たりませんでした。(卓球が出来る場所)
由美とミホの会話で「アイコはヒマワリを10年前(1985年)に出て行った」ことがわかります。
ミレニアムタワーの建立秘話が改変
ミレニアムタワーは複合商業施設として堂島組長が建設を目指していました。建設予定地の土地買収を巡り所有者のエドガーを迎え入れようとしましたが、失敗に終わります。ゲーム中では龍が如く0のメインであった「カラの一坪」をオマージュしており、その土地所有権は「マキムラマコト」が所有し、覇権争いに巻き込まれていく中、真島との交流を含めて感動的なストーリーでした。
渋澤と桐生と錦山がエドガーの利権所と実印を独断で盗みに行きますが…このやり取りが素人丸出しで何とも言えない真顔ポイントでした
真島と冴島とニアミス
一度目はエドガーを見張っていた六本木のマハラジャですれ違います。(後にエドガーが殺害される現場になります)二度目は権利書の盗みを独断で行い、失敗(実印がない)したことを堂島組長に怒られた後に廊下で遭遇します。真島の兄さんと初対面で組関係者とわかっているのに、ため口で高圧的な態度…ゲームではそんな桐生のイメージは全くありません。一緒にいる冴島…微塵も原作のキャラではないのでスルーします。その後実印がエドガーの妹とともに金田(カナダ)という民宿にいることを知り錦山とともに向かうか?というところで回想が終わります。
阿波野はビビってしまって、錦山は何も出来ない自分と桐生を比べてジェラシーを感じているような…そんな描写でした。翌日渋澤さんは捕まります
堂島組組長「錦山彰」
2005年、堂島組長三回忌を迎え幹部が顔を合わせる中、堂島組を継いだ錦山は同門の嶋野組長や東城会会長の佐々木に桐生の処遇について「自分に一任して欲しい」と懇願します。佐々木会長は錦山に一任するとともに反対した嶋野を黙らせます。一方澤村アイコは根城の漫画喫茶に娘の遥を置いて外出。その間に謎の覆面集団が襲撃します。間一髪のところで助けに入った桐生でしたが…漫画喫茶は爆破されてしまいます。
この10年間で確実に力をつけた錦山は堂島組長の後を継ぎ、堂島組組長にのし上がりました。ゲームでは堂島組傘下の錦山組組長として頭角を現していましたが、それも出所してくる桐生を迎え入れる器として用意されたポジションでもありました。本作のように東城会直系の堂島組組長に就任したとなれば、事実上「東城会の顔」になったわけです。この10年で何があったか?気になるところです。
ゲーム中では風間組長が事実上のトップと言われていました。
嶋野組長はむしろ堂島組長に寄ったビジュアル
本作での嶋野組長はどちらかというとゲームの堂島組長に似たビジュアルをしています。性格は似たような感じではありますが、ビジュアルが乖離しているので名前を呼ばれないと気が付きませんでした。嶋野組長は右腕として「嶋野の狂犬」こと真島吾朗を従えています。本作でもその設定だとは思いますが…どちらにせよ若い錦山に言いくるめられるような小物ではありませんでした。
東城会会長は佐々木
本作でのオリジナル要素の一つですが、東城会会長は佐々木という人物になります。スーツにちょっとお洒落?な刺繍をあしらった傾奇者のようなイメージです。ゲームでは2005年代の会長は「世良勝」です。元日侠連の総裁でありミレニアムタワー建立のキーであった「カラの一坪」の新たな所有者になり会長に就任しました。風間組長には恩義を感じ、桐生一馬を一目置いていました。佐々木と言う人物がどのような人物かは現状わかりません。
澤村遥登場
澤村アイコの子供と言う設定で登場します。ゲーム中では「消えた100億円」のキーパーソンであり、桐生としては最愛の女性「澤村由美」の忘れ形見である少女として描かれます。辛い境遇にも関わらず健気に成長していく彼女ですが、本作では澤村アイコの娘として登場し、スレた感じの生意気そうな少女として描かれています。桐生が助けに入りますが…爆破に巻き込まれたか?というところで第二話が終了します。
まとめ
第二話まで視聴して感じたのは「全体的にガラが悪い」「桐生一馬が子供過ぎる」「キャスト解釈がめちゃくちゃ」と言った印象です。ただドラマ単体としてとらえると、極道モノのドラマです。青春群像劇を含めて自由を手に入れたい若者の目線を10年の時を交互に追っていくようなドラマです。ゲームをプレイした方が感じるのは「だったら別のキャラでやってくれ」という意見が多いと思います。自分もどちらかと言うとそっちの意見になってしまいます。
以上、実写ドラマ第二話についてのネタバレ感想とゲーム的補填でした。
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