Amazonプライムオリジナルドラマ「龍が如く~Beyond the Game~」を視聴しました。その第一話のネタバレあり感想とゲームとの違いを解説と考察をしていきたいと思います。視聴予定の方は視聴してからお読みください。
ドラマとゲームのネタバレがありますので未視聴の方やゲーム未プレイの方はご注意ください。また個人的な感想や考察を多分に含みますのでご了承ください。
「龍が如く~Beyond the Game~」とは

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本作は大人気ゲーム「龍が如く」をモチーフにした完全オリジナル作品になります。当初の発表通り全く違う作品ではあるものの一部のゲーム内容やキャラ設定が引き継がれているのでゲームを熟知されている方は混乱する場合があります。現に自分は作品ファンとして本作品を「IFストーリー」と整理してから視聴をしています。この点が賛否を生む要因でもあります。全6話配信中です。

ゲームファンの方がこの作品を視聴する際は「同じ名前の違う人の物語なんだ」と「新解釈版なんだ」と頭を整理する必要があると思います。
自立のための強盗
1995年養護施設「ヒマワリ」で育った「桐生一馬」「錦山彰」「澤村由美」「錦山ミホ」は規律で固められた施設を飛び出すためにゲームセンターで強盗を働きます。無事に強奪をしたものの、後日その金の所有者のヤクザが養護施設を襲撃し、4人は捕らえられてしまいます。そのヤクザとは神室町の大派閥である「堂島組」だったのです。
養護施設ヒマワリでの出生はゲームと同様です。ただし全員が「チンピラ感」が増している印象です。ゲームではもちろんこのエピソードは語られることがなく、本作の一番初めの違和感を生む場所でもあります。養護施設の規律正しい生活からの逃亡のため…その点もだいぶ乖離が生じています。時代設定は龍が如く1とは同じですが、彼らの当時の立場など設定はだいぶ異なります。
堂島組入りの時期と立場が違う


桐生一馬と錦山彰はゲーム中だと1984年、中学卒業と同時に堂島組に入っています。(風間さんには止められたけど)さらに1995年には桐生一馬は「桐生組旗揚げ」直前の状態であり、2人とも勢いのある若い衆として認知されていました。同年由美が堂島組長にさらわれてしまったことがきっかけで錦山が組長を殺害し、桐生がその罪を背負って服役するのがゲームの内容になります。
錦山の妹設定が完全にオリジナル


錦山の妹はゲーム中に登場しますが、それは名前だけ。さらには病弱な妹を助けるために錦山は金の工面に翻弄します。結果的に彼女は助からず、それも引き金になり錦山自身が闇落ちをします。これらは龍が如く0や龍が如く1で語られる内容なのですが、そもそも名前も違います。ゲームでの名前は「優子」になります。ミホについては新解釈でありオリジナルキャラとして考えていいと思います。ゲーム作中桐生は恐らく妹とあまり会ったことがないかと思います。



ゲーム中には顔も出ていません。完全に別ものと考えていいと思います。
風間新太郎との関係性が完全に不一致


そもそも桐生一馬は風間新太郎に命を救われ、恩義を感じています。さらに言えば「風間新太郎のような男になりたい」というのが極道入りする動機になります。それは幼馴染の錦山も同じです。本作での風間新太郎と彼らの関係性は「規律規律とうるさい厄介者」とされており、彼らを本物の子供のように接する風間に対して「関係ないだろ」と言い放つ関係性です。これはかなり落胆しました。



さらに風間新太郎は既に引退済という点もかなり違和感がありました。
阿波野がまさかの出演


阿波野と言えば龍が如く0に登場した人気キャラであり、竹内力さん演じる堂島組若頭補佐3人衆の1人です。(同性なだけかもしれませんが)それを演じるのがお笑い芸人のオラキオさんです。この時点で自分は真顔になりました。(失礼)この方は龍が如く0に登場し、真島を庇って1989年時点で既に亡くなっているはずの存在です。アナザーストーリーと解釈しないと呑み込めない要因の一つでもあります。
堂島組でのやり取りについて


堂島組に連れ去らわれた4人。対峙する堂島組長を眼前に桐生一馬は「堂島の龍になりたい」と堂島組入りを懇願します。ゲームセンター襲撃もその機会を得るためだったのです。桐生一馬は後に地下格闘技場に登録され、錦山もマグロ漁船行き寸前だったところを堂島組長に拾われます。
風間新太郎は本作だと全く影響力のない「一般人」になっていました。それを象徴するように堂島組長の側近として登場するのは「菅」という聞きなれない幹部でした。完全に彼に押さえつけられてしまい不甲斐ない風間新太郎は個人的には見たくありませんでした。
堂島組長と席を並べる「菅」とは


菅と言う名前でゲーム本編で出てきた幹部は…正直記憶にありません。近しい存在と言えば「龍が如く6」に突如現れた古参の「菅井」を連想させました。しかし見た目がだいぶ違うのと、本作中では「菅」と呼ばれているので関連性は定かではありませんが、かなり気になる存在ではあります。



名前が似ていたのでついついそう思ってしまいました。
堂島組長があまりにイケメン


堂島組長である「堂島宗兵」は、パンチパーマにゴリゴリな中年、色付きメガネをかけた「おじさん」です。見た目がかなりオールドスタイルなイメージが強いのですが、本作はめちゃくちゃイケメンです。さらに出生も親に捨てられた過去を持ち、ゲームでのずる賢いようなイメージはありません。そもそもキャラの見た目については現段階で「似ている」人は1人もいないので「これはこれでいいや」と思ってしまった点でもあります。
堂島の龍になりたい発言に賛否


ゲーム中では「堂島の龍」という異名については「興味がない」というのが桐生一馬の考え方です。堂島の龍は、桐生一馬が「堂島組」に所属し、彼が背中に背負っている「応龍」という入れ墨がそもそもの由来になります。しかし本作中では「地下格闘技場の覇者」の異名として設定されており、桐生一馬は少年期に1度だけ見たこの地下格闘技上の覇者「堂島の龍」に憧れを持っている設定になります。この設定に違和感を感じて「このドラマの設定はひどい」というユーザーが続出しているようです。



個人的に最大の真顔ポイントではありました。
2005年の彼ら


2005年、親殺しの罪で収監されていた桐生一馬の元に伊達刑事が訪れ、失われた100億円と現状を伝えます。その後彼は出所します。彼を待っていたのは同門の嶋野組構成員ですが、そこで一掃します。彼らから奪った車中で「失われた100億円の容疑者が澤村アイコだった」と伊達刑事から連絡があります。彼は二度と訪れないと決めた神室町に再び向かうのでした。
親殺しの詳細は一言だけで省略された


桐生一馬が収監されていた理由については2005年、収監中の「おい、親殺し」というフレーズのみで片付けられています。その背景や経緯については現段階では一切語られていません。ゲーム中では堂島組長を殺した錦山を庇って捕まったというストーリーですが、この第一話ではその点は触れられていません。かなり急展開だと感じました。
消えた100億円が近江の裏金設定に改変


収監中の桐生のところに伊達刑事が現れます。現在の状況を簡潔に伝えます。消えた100億円はゲーム中だと「東城会」のお金でした。しかし本作では関西最大派閥で最大の敵とされる「近江連合」の裏金という設定に変わっています。さらに東城会がその容疑を疑われておりそれを解決するためにも伊達刑事は桐生に「極道復帰」を懇願します。刑事としてはあり得ない提案だと思いました。



その時は極道復帰は一切しないと断言します。
錦山彰の組入りは不自然


ゲーム内では桐生とともに堂島組入りしていますが、本作では地下格闘技場で頭角を現した桐生に対して、錦山は「不要」と評価されます。ここらへんはどことなくゲームリスペクト感はあったのですが、その後、マグロ漁船行きを不服に思った錦山は組入りを懇願、さらには自分の小指をつめるところを堂島組長の目に留まり、何故か組入りを果たします。救急車まで呼んでもらい幸い無事だったようですが…ここまで気に入るような描写ではないと個人的には思いました。



ここからの展開はちょっと厳しく感じました。しかも錦山の憧れは堂島組長と言い切っていたのも…ゲームと比べると真逆です。
錦山が東城会の顔として大出世


経緯はわかりませんが、錦山はマグロ漁船行きから東城会の顔として大出世を果たします。事務所も平屋からミレニアムタワー内の事務所に移設され、明らかに組長として鎮座していました。伊達刑事からも親分さんと言われていたので間違いないようです。そこに以前はコケにしていた菅も敬語を使って現れます。ゲーム中では確かに「錦山組」の組長になりましたが…直系の組の組長になっているので、それ以上に出世を果たしています。



ここで菅が持ってきた映像で100億円強奪の犯人が澤村アイコだとわかります
澤村アイコはオリジナルキャラ
ゲーム中では澤村由美の姉として「美月」という女性が登場しますが、これは由美が変装したもので、設定上は姉妹はいません。本作ではアイコとして実在し、彼女が近江連合の裏金を強奪した映像があり、錦山も確認しています。澤村由美の姉ということもあり、桐生一馬が神室町に戻る理由付けにもなりました。が、本作中でアイコとの関連性がいまいちつかめないのが桐生と由美との関連性にもあります。
澤村由美との関連性が薄い


ゲーム中では桐生一馬にとって「最愛の女性」として描かれる彼女ですが、本作中では「同じ養護施設出身の仲間」という印象しか感じ取れません。実際に恋仲と捉えられる描写がないからです。しかも出所を知らされても「会うつもりがない」と錦山に伝えます。この関係性があって「何故アイコのために神室町に戻るのか?」というのが最大の謎でした。
澤村由美の車が落ちてしまって終わり
第一話終盤でニューセレナのママになった澤村由美が強盗に襲われます。かなり堂島組の資金源として活躍をしていたようですが、やはり姉のアイコが容疑者として浮かび上がったのでヒットマンに狙われたのかと思います。駐車場で強盗に襲われますが、なんとその男を殺します。しかし仲間が車で挟みこみ、そのまま立体駐車場から1階に落とされてしまいます。そこで第1話は終了になりました。
まとめ


今回はAmazonプライムオリジナル実写ドラマ「龍が如く~Beyond the Game~」のネタバレあり感想と、ゲームの関連性についての考察になりました。第一話からフル回転で「違うストーリー」展開で頭の整理が難しいのですが、ドラマとしては「普通」というか「自分勝手なチンピラの話」と「ご都合主義」が入り混じった内容だと勝手に感じました。あくまで1話目なので今後の展開で印象は変わると思います。
ゆっくりとしたペースですが、今後も感想を記事にしたいと思います。以上、実写ドラマネタバレ感想でした。