今回はゲームセンター全盛期1990年後半のビデオゲームについて記事にしました。今では信じられないですがビデオゲーム対戦台がフロアに溢れる時代があったんです。そんな思い出について元ゲームセンターアルバイト店員がつらつら書いております。ゆっくり読んでみてください。
今回の記事は思い出補正が強めです。また衰退の理由はあくまで個人的な推測でしかありません。
ビデオゲームがフロアに溢れた90年代
自分が大学生の頃位の話。自分は当時アルバイトでSEGA系のゲームセンターで働いていました。ゲーム好きだったのもあってゲーセンでバイトをしたわけですが、フロアには今にはない熱気のようなものが確かにあったのです。(思い出補正若干あり)
90年代後半に盛り上がっていたゲームタイトル
金字塔を打ち出したCAPCOM。ちなみにSNKとはそんなに離れていません。
- バーチャストライカー
- バーチャファイターシリーズ
- キングオブファイターズシリーズ
- 餓狼伝説シリーズ
- ストリートファイターシリーズ
- SNK VS CAPOCOM
- CAPOCOM VS SNK
- 鉄拳シリーズ
大まかなものですがビデオゲーム機に至っては「対戦格闘」で稼働するゲームが特に人気がありました。一番元気があったのは2D格闘系だと記憶してます。(実際自分もかなりやった口です)3Dポリゴン系も映像がだいぶキレイになり、人気シリーズの定着化も出来たわけです。現在も人気がある鉄拳シリーズもこのころから徐々に定着化してました。同3Dポリゴン格闘ゲームのパイオニアのバーチャファイターは…その後一気に衰退してしまうわけですが。
2D格闘の全盛期=ビデオゲームコーナーが大繁盛
インカム率(コイン投入率)で言うと圧倒的に「2D対戦格闘系」が強かったです。(うちの店舗では)特に「SNK」「CAPCOM」などは2大メーカーとして人気を博しました。この2大メーカーの夢のコラボゲームが、「SNK VS CAPOCOM」と「CAPCOM VS SNK」になります。これは両メーカーの人気タイトルからキャラが参戦する格闘ゲームで基本システムはタイトル名の先に記載があるメーカー(SNK VSだったらSNK)が作ってリリースする珍しいコラボゲームでした。両方ともメーカーの独自性が見られ、ユーザーとしては「SVC派」「CVS派」に分かれるような構図になりました。
自分はADKも好きでした。「ワールドヒーローズ」や「ガンガン行進曲」など、キャラに癖があるアングラ感が特に気に入ってましたね。
バーチャストライカーは対戦特化の斬新なサッカーゲーム
サッカーゲームでライトなタイム感の3Dポリゴンゲーム「バーチャストライカー」は「対戦特化」で「直感的な操作と爽快感」がある良作でした。サッカーゲームは「ウィニングイレブン」などを筆頭に家庭内ゲーム機で人気作があるものの、ゲームセンターでは「所要時間の長さ」や「ゲームシステム」によりあまり好まれなかった印象です。しかし本作は「スピード感」と「直感性」を重視し、対戦ゲームに昇華しています。これは普段ゲーセンに来なかった層も足を運ばせた画期的なゲームでした。
自分はあまりやりませんでしたが、お客さんが多かったです。そのせいで17アイスを灰皿に置く輩が多くて困ったのもいい思い出です。
ビデオゲームコーナーの衰退
M.T – 投稿者自身による著作物, CC0, リンクによる
そんな華々しい時代を経験し、月日が流れて2020年代の現在。ゲームセンターのビデオゲームコーナーは…今やほとんど見受けられなくなりました。(ミカド(上記写真)とは別です。)主にプライズ系(UFOキャッチャー)や体感ゲーム、プリクラが今のゲームセンターの主力になっています。
ゲームセンター「ミカド」はビデオゲームの聖地
そんな中でも頑張ってビデオゲーム主体で営業しているミカドは神。1回の体感ゲーム機にもしっかりダライアスが設置されていたり…2階は対戦格闘がまだ稼働している。(KOF98の難易度8設定なんかも設置されていて熱い)古き良きゲームセンターとして独自のイベントを実施し、ファンを釘付けにしている良店であり、一度は訪れてみたいゲームセンターの一つです。
2018年くらいに行ったミカド中二階(階段踊り場)テーブル筐体にスト2があって思わず撮った写真
ゲームセンター「ミカド」は中2階と2階のフロアがビデオゲームコーナーな素敵なゲーセンです。今年になって50円ではなく100円に変わりましたが、それでも良心的だと感じました。
2D格闘ゲームの限界とマンネリ化
今まで多くのタイトルを排出してきた2D格闘ゲーム界隈ですが、単純に「ゲーム性の限界」が訪れたと推測します。キャンセル技から始まり「コンボ(攻撃を連続で当てる)」が主流になり、「ガードブロックやキャンセル」「回避」など様々なゲームで独自の操作性を展開してきました。しかし、個人的には「出尽くした感」が否めないと思います。
SNKの倒産と聖地巡礼
写真は倒産後に訪れたSNK跡地。普通にビルが残っていてびっくりしました。(2019年当時。聖地巡礼)
これは個人的に衝撃的なことでした。多方向へ事業(アミューズメント施設の経営やコンソール機の開発販売、F1チームのスポンサーなど)を展開しておりましたが2001年、知的財産権を「プレイモア」に移動、2003年にプレイモアは社名を「SNKプレイモア」に変更しました。その後キングオブファイターズシリーズや他のシリーズをリリースしているものの、現在は3Dテイストの2D格闘ゲームとして家庭用で販売をしています。
KOFでお馴染みの大阪の江坂ステージ整地巡礼をした日が懐かしい。
ここが江坂ステージの下になった場所です。(奥には以前SNKのアミューズメント施設がありました。)
大阪に一度も行ったことがなくて、たまたま行く機会があった際に念願のSNK聖地巡礼を、なんと元社員である先輩に案内してもらったのです。まじで感動しました。2019年と割と最近ですが、色々と巡れて大満足な1日になったいい思い出です。
金持ち専用機でお馴染み「NEOGEO」で有名に
「100メガショック、NEOGEO!」のCMでお馴染みの同社の家庭用機「NEOGEO」はその「ソフトの異常な高さ」で有名になりました。当時のアーケード筐体と「全く同じ」ゲーム環境が手に入る夢のゲーム機ですが、もともとMVSをそのまま家庭用に持ってきた商品なので同性能になります。元々はレンタルで貸出中心に行っていましたが、家庭用ゲーム機の競争に参戦したのがこの「NEOGEO」でした。そんな家庭用ゲーム機いついては下記記事を参照してください。
家庭用ゲーム機でゲーセン以上の環境が手に入る
ゲームセンターのビデオゲームの衰退は、ゲーム機のスペックアップによる「家でアーケードと同じクオリティでゲームが出来る」「通信対戦で世界中のプレイヤーと対戦が出来る」環境が成立しているのが一番の原因だと個人的に思います。特にゲームをよくする人間にとっては「わざわざ外出するより家で同じこと出来るなら家でいい」と思いますし、「コントローラーは慣れているものを使いたい」と考えると思います。eスポーツの存在もまた「家でゲームをやる」というプレイスタイルを後押ししているのでは?と思うのです。
コア層の減少=ファミリー層向けにシフトした
昔はゲーセンと言ったら「不良の巣窟」とレッテルを張られ、たばこの煙がもくもくしていた劣悪な環境が多かったです。それが「ビデオゲームの台頭」によるゲームコア層の流入や「プリクラ(プリント倶楽部)」や体感ゲーム機の登場による「ライト層、ファミリー層」の流入を受けました。現在では一部個人店を除き「誰でも入りやすい環境」がそこにあります。
大手ゲームセンターの撤退、個人店舗の経営難
SEGAなどの大手企業が経営するゲームセンター(GIGOなど)がここ数年で店を畳むことが多くありました。これはコロナも影響があったとされていますが、上記の理由にある種「とどめを刺された」と言った印象が強いです。個人経営の店舗についてはさらに劣悪な環境で、自分が言っていた店舗は、ほとんどなくなってしまったのは悲しい出来事でもありました。
まとめ
ゲームセンターの思い出をざっくりと記事にしてみました。書いている途中に「SNK最高だったな…」と妙にしんみりしてしまいましたが、家庭内環境の向上はうれしい面もあるので何とも言えません。独特なあの「薄暗い」雰囲気が好きだった分、今の「明るい雰囲気」にいささか違和感を感じてしまうのです。(おっさんの証拠)
以上、ゲームセンターの思い出とビデオゲームの衰退についてでした。
コメント
コメント一覧 (2件)
子供の頃、ゲーセンに行くことを禁じられていたので駄菓子屋さんや本屋にあるアーケードゲームで遊んだのを思い出し懐かしみが凄いです…。
ゲーセン=不良の巣窟というのがレッテルではなく、シマとして存在していたので本当に行けなかったなぁ…(悔しい)。数は減っていますが、「誰でも気軽に遊びに行ける」という環境が整えられている今の状況は喜ばしいのかも知れませんね。
ダンヨメさん
確かにレッテルというより結構事実な場所はありましたね。自分も小さい時は入れないで、駄菓子屋の脇の立ちゲーで遊んでました。特に厳しい家庭ではなかったんですが、巣窟が多かったので(笑)入りやすい環境は嬉しく思う反面、薄暗い雰囲気が好きなのは、無いものねだりかもしれませんね。