NASは外からアクセス出来て便利です。が、個人的にはあまりお勧めしません。というよりかは…自分は特に必要ないのでNASはあくまでデータのバックアップメインとして利用しています。今回は、自分がこの方法に行きついた考え方と運用例を記事にしたいと思います。参考程度にお読みください。
今回は下記記事の構成をベースに書いてますので是非チェックしてください
自宅用NAS運用を考える:必要条件の整理

NASと言われてもなんか難しいイメージが強い。と思われがちですが、単純に外付けメディアを「ネットワーク」でつないだものです。USBがLANケーブルになったようなイメージで問題ありません。ネットワークでアクセスが可能なので外出先からでもアクセスできるのが利点ではあります。

NASは自動バックアップが一番の目的。何故なら回線で転送速度が決まるので、手動だと時間だけ取られます。
NASをバックアップにした理由
中身はHDDなら外付けHDDで十分ですが、NASは外部アクセスだけではなく設定など面倒なことをせずに以下のような機能を低コストで手に入ります。自分はこの利点を目的にNASをバックアップ運用にしたわけです。
- ファイル共有
- ミラーリング
- 自動バックアップ
- 世代間管理
- メディアサーバー接続



メーカーによって性能はばらつきますが、概ね上記の利点があります。個人的にはメディアサーバー接続などはそこまでマストではありません。
NASの利点「外部アクセス、共有」の必要性について


自分は外部からのアクセスを介して写真や動画を閲覧をする必要がありません。外出先や家族との共有は写真動画共有サイト(「みてね」等)を利用しているので完全に使っていない機能ではあります。さらに通信速度によっては重い動画(4K動画など)はほぼ見ることが出来ないのが現状です。
映画とかの長尺動画視聴の必要性について


自分は特に必要ないです。映画も基本的には「Amazonプライム」エンタメ系は「Youtube」などで視聴をします。テレビ番組は、最近めっきり観なくなりました。NAS経由までして動画を楽しむ必要性が意外とないのが現状です。過去映像等は必要に応じてSDカードに入れてスマホなどで見るので…正直NAS経由で見る機会はありませんでした。



むしろ大容量データ通信にかかるパケット費用が気になって落ち着いて観れませんし、外出先で数時間動画を観る機会もないです
外部アクセスを設定難易度について


接続方式(DynamicDNS、VPN、専門サーバー、ソフト)についての「セキュリティリスク」「設置リスク」を考慮・理解している方でしたら、外部アクセスはお勧めできる便利機能です。(やや玄人向けだと思います)
「外部アクセスを外出先から一切しない制限を設置し、自宅内のWi-Fiでの家族間共有のみの運用」という条件でしたら、セキュリティをWi-Fi設定で担保し、導入敷居が低い「DynamicDNS」や「ソフト、アプリ」の利用で自宅内のみで共有することをおすすめします。外出先などは家族からも特に需要はないです。



NASのメーカーの「専用サーバー経由」はさらにセキュリティ担保が出来て導入敷居も低いですが、サーバーを一度介するので遅いです。
NASの写真動画バックアップ構成


改めて自分の写真や動画のバックアップ構成を下記にまとめてみました。
- メインデータ:PCで整理
- データ共有:みてね(無料版)
- バックアップ①:Googleフォト(有料版)
- バックアップ②:自宅NAS
- 写真バックアップ:Amazonフォト(写真のみ)
※「みてね」は無料~有料で使える無制限写真動画アップロードサービスです


スマホで撮った写真動画はGoogleフォトとAmazonフォト(写真のみ)に自動でアップロードされます。「みてね」を通して家族に共有されます。また自分以外の家族が上げた写真動画は「みてね」を経由して必要に応じて自宅NASに格納してます。最終的にNASに全ての媒体の写真動画を集積する運用をしています。ただしみてねは写真動画ともにリサイズされて画質が劣化するので注意(スマホで観る分には全く気にならないですが)
ミラーレスを買ってから少し構成が変わりました。詳しくは下記記事
最小機能でNASを安く導入する


自分の運用の場合はNASをバックアップ用に使うことを念頭に置いています。ですので、必要な機能と構成があればなるべく価格を抑えたものを用意することが可能だと思います。(余計な機能が不要なため)
RAIDは今回の構成だったら「RAID1」で十分


RAIDはHDDの認識方法で、複数のHDDを仮想上の1台として認識し、各方式によってファイル構成を組み上げるものなのです。簡単に言うと、「複数のHDD中で壊れたら補ってくれる」機能になります。
例えばRAID1の2TBの場合、1TBのHDDが2台格納されていて、実際は1TBの内容を二重で保存します。一つのHDDが破損しても二重でデータを保管しているので、生き残ったほうを使って、破損したHDDを新品に交換してまた使うようなイメージになります。
RAID5やRAID10といった「書き込み速度が速い」「分散方式でのデータの格納で復旧に強い」などの高性能なものがありますが…お値段が跳ね上がりますし、今回はバックアップをクラウドストレージを含め複数に補填してますので、あえてコスト優先でRAID1を選択します。
ベイと容量について


ベイはHDDの格納数です。RAIDによって格納HDD数が変わりますので、RAID用途に合わせて選択する項目になります。ここではRAID1で検討しますので、2ベイで問題ないと思います。また容量については世代管理をする場合は十分な容量が必要になりますので、現在~今後利用しようと思う容量の2倍程度の容量を用意することをお勧めします。
あったほうがいい機能は「世代管理」


「世代管理」とは定期的にバックアップを走らせたときの保存を「最新のものだけではなく、過去何日(日次の場合)時点のデータを保存する」ように設定する管理方法です。日次の3世代でしたら「直近3日間」時点のデータを指します。また指定された期間外は自動で削除されます。※メーカーにより呼称が変わります。
差分と増分について
またバックアップ方式はフルバックアップ後に「差分」(初回フルバックアップ以降の追加ファイル全てを保存)と「増分」(バックアップ取得時点の追加分を保存)とありますが、おすすめは「差分」になります。リストアするときの工数が少なく、データ構成が増分より複雑化しないためです。その分、増分より利用するデータ領域は大きめです。



簡易的なアクセス手段(専用ソフト・アプリ)があればもしもの時の操作手段として重宝します。大体のNASメーカーで提供しているサービスでもあります。
NASキットは上級者向け


よく見かけるNASキットは、拡張性が高いNASを構成するための箱のようなものです。好みによって内部機構をカスタマイズできる利点はありますが、今回のようなミニマム構成なら「メーカー完成品」一択です。慣れてきてより高性能な構成にしたい場合は別として、基本的にはNASキットはおすすめしません。
おすすめは「HDL-AAX4/E」


コスパが良く、履歴差分バックアップ搭載のRAID1なのが一番の魅力です。ただクラウドへの自動アップロードにGoogleフォト、ドライブがないのが唯一残念です。またNAS自体のミラーリングを外付けHDDに出来たり、データの引っ越しも出来るのでエントリー+αとしては最適だと自分は思います。



また外部アクセスもアプリで一応できますが…自分が利用してみての率直な感想は「動作が重い」です。なので非常時のデータ確認用としては十分機能はしますが、普段使いにはそこまで推すことはできません。
ちなみに自分が今使っているのは「HDL-AA2/E」で古い型式+RAID0なんですが、基本的な仕様は変わりがないので、そろそろ購入して6年になりますが、現役です。なので買い替えるなら使い勝手が良いアイ・オー・データの上記機種にしようと思います。
まとめ


NAS自体は色々とラインナップがありますが、正直自分の利用用途に合わせて購入するが鉄則だと思います。上記でおすすめ商品として出させていただきましたが、ある程度の工数は必要ですが、コスト的にはだいぶ抑えられており、必要最低限のスペックだと思いますので、推させていただきました。
以上、自宅NASをバックアップメインで構築する際の選び方についてでした。